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大阪市の土地を外郭団体がまた貸し
06.6.25

大阪市住之江区柴谷に広がる広大な敷地。あちこちに木材が山積みにされている。そしてその間には大型トラックや普通乗用車が200台近く止まっている。ここは大阪市の土地だ。大阪市はこの土地を大阪市の外郭団体である大阪港木材倉庫に管理委託している。

ところが、タウンズメン21が行なった情報公開による公文書には用途は貯木場となっている。貯木場として大阪市は土地を木材倉庫に貸しており年間別の土地と合わせて約3000万円を木材倉庫から賃貸料として受け取っている。これは貯木場として支払っているものでもし勝手に木材倉庫が近隣の人に又貸しして駐車場収入を得ていれば当然契約違反であるのは明白だ。大阪市は又貸しの事実を「知らなかった」と答えたが、木材倉庫は「大阪市には報告してある」と話すなど食い違いを見せている。

大阪市が又貸しの事実を知らなかったとしている以上、駐車場収入は大阪市が把握していないことになる。木材倉庫が毎月何台の車から駐車場収入を得ているのか明らかにしていないものの、駐車場を借りている人に尋ねると1ヶ月で1万円を支払っていると話した。周辺の民間駐車場と比べてもかなり安い。大型トラックもあり料金に違いがあるとみられるが、ざっと200台とみて毎月200万円が木材倉庫に入り、年間で2400万円の駐車場収入があるとみられる。しかも、アスファルトも敷いていない露天の土地だけに管理料はほとんどかかっていない。市民の土地を勝手に第三者に貸して年間2400万円の暴利をむさぼっていたことになる。大阪市から安く土地を借りていれば、駐車場など一番ぼろい儲けになる。周辺の民間駐車場よりも安くすればいつも満車状態であり、営業努力をする必要もない。まさに濡れ手に粟だ。

木材倉庫のホームページによれば「昭和32年に木材産業の振興と経済発展に寄与することを目的に木材関係業界によって設立され、昭和36年に大阪市が南港地区に整備された水面木材整理場を管理することになった際に公的立場を明確にするため大阪市からも出資を受けることになり、・・・。」と大阪市の外郭団体になった経緯を説明している。そして「時代の流れと共に大阪港に入荷する輸入木材の主流も原木から製材品へと様変わりし、木材の保管場所に対するニーズも水面から陸上へと変わる中で当社としては陸上保管施設の整備にも努め、今日では延べ約23万平方メートルにのぼる陸上施設を提供、」などと書かれている。つまり材木の置き場として大阪市から土地を借りてそれを管理するのが仕事というわけだ。

ところが、材木ニーズがなくなってきたので勝手に駐車場に変えて儲ける手に出たようだ。本来なら大阪市に報告し、契約をしなおさなければならない。駐車場として借りるならもっと大阪市に支払っても良いという業者が出てくるかもしれないからだ。しかし、そうなればうまみがなくなるのでこっそり駐車場に切り替え、収益を手にしていたのである。もともと昭和50年に木材倉庫は土地を大阪市から借りているが、10年程前にはすでに駐車場にしていたという指摘もある。大阪市が駐車場にして又貸ししていたことを本当に知らなかったとするならまさに怠慢というしかない。平日の昼間に来ても堂々と車が止まっているのを見つけることができるからだ。もし自分の土地ならまずそんな杜撰な管理は誰だってしないだろう。所詮は市の土地という思いが透けて見える。

大阪市の怠慢と外郭団体への大盤振る舞い。大阪市の財政が危機的な状況に陥るのは当然だ。大阪市はまだ具体的な改善策を打ち出していない。部落解放同盟飛鳥支部の小西前理事長が逮捕された際には、西中島の駐車場をあっという間に使用禁止にしたにもかかわらずである。この問題は毎日放送も取材し5月に報道したが、タウンズメン21では徹底的にこの問題を追及する。




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